家族信託と税金の関係
信託に関わる3つの税金
- 贈与税:信託契約によって名義を移転する場合、形式上は贈与とみなされることがあり、贈与税が課税される可能性があります。ただし、受益者が委託者自身である場合は課税されないのが一般的です。
- 所得税:信託財産の運用益(利息・配当・不動産収益など)が発生した場合、原則としてその利益を得た受益者に課税されます。受託者個人ではなく、あくまで受益者の所得として申告が必要です。
- 相続税:信託財産は原則として、委託者の死亡後に相続財産として評価され、相続税の課税対象となります。特に二次相続まで設計している場合には、受益権の移転ごとに課税される可能性もあります。
税務上の取り扱い
- 受益者課税方式が原則:信託の利益は、その利益を得た受益者に直接課税されます。たとえば、家賃収入が発生する不動産を信託した場合、収益は受益者の所得となり、確定申告が必要です。
- 信託終了時の再評価に注意:信託が終了し、財産が再び委託者や別の相続人に戻る際には、その資産が再評価され、再度課税されるケースもあります。とくに信託期間中に資産価値が大きく変動した場合は要注意です。
税理士に相談すべきタイミング
以下のようなケースでは、早い段階で税理士に相談することをおすすめします:
- 高額な金融資産や不動産を信託に組み入れる場合
- 二次相続対策まで含めて長期的な信託設計を行う場合
- 収益物件(賃貸マンションや店舗など)を信託財産に含める場合
適切な税務設計は、信託そのものの有効性と家族全体の税負担を大きく左右します。