死亡届・火葬許可申請の手続き
死亡届とは?
人が亡くなると、「死亡届」を死亡の事実を知った日から7日以内に提出しなければなりません(戸籍法第86条)。これは法律で義務付けられた手続きであり、役所が死亡を正式に登録するためのものです。提出が遅れると、過料が科せられる場合があるので注意が必要です。
死亡届の役割
死亡届は単に死亡を報告するだけでなく、火葬や埋葬を行うための許可を得るためにも不可欠な書類です。この届出が受理されることで、火葬許可証や埋葬許可証が発行されます。
誰が提出するのか?
死亡届の提出義務者は以下の通りです:
- 同居の親族
- 同居していない親族
- 家主、地主、管理人
- 後見人、保佐人、補助人、任意後見人
- 任意後見監督人
- 医師、歯科医師、または死亡に関わった人(死亡の事実を知った者)
通常は家族が提出するのが一般的ですが、やむを得ない事情がある場合は、葬儀社が代理提出するケースもあります。代理人が提出する場合でも、届出義務者の署名が必要です。
提出場所
死亡届は、以下のいずれかの市区町村役場へ提出します:
- 死亡地:故人が亡くなった場所の市区町村役場
- 届出人の所在地:届出人の住所地の市区町村役場
- 本籍地:故人の本籍地の市区町村役場
夜間や休日でも宿直室などで受け付けている場合がほとんどですが、内容の確認や修正が必要な場合は、翌開庁日の対応となることがあります。
提出に必要な書類
- 死亡届(死亡診断書または死体検案書と一体になっているもの):医師によって作成された死亡診断書(病院で亡くなった場合)または死体検案書(事故などで亡くなった場合)が、死亡届の右半分に記載されています。
- 届出人の本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど顔写真付きの公的身分証明書。
- 届出人の印鑑:シャチハタ以外の認印で構いません。訂正が必要な場合に備えて持参するとよいでしょう。
提出期限
死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。国外で亡くなった場合は、死亡の事実を知った日から3か月以内です。この期限を過ぎると、過料が科せられる場合がありますので、速やかに手続きを行いましょう。
火葬許可申請の流れ
死亡届を提出すると同時に、火葬許可申請も行います。死亡届が受理されると、その場で「火葬許可証」が交付されます。この火葬許可証がないと火葬を行うことができません。火葬場を予約する際に必要となるため、大切に保管しましょう。
火葬・埋葬に必要な書類
- 火葬許可証:火葬を行う前に火葬場へ提出します。火葬が終了すると、火葬場でこの許可証に火葬済みの印が押され、「埋葬許可証」として返却されます。
- 埋葬許可証:火葬後に火葬場から交付されるもので、遺骨をお墓に埋葬する際に墓地の管理者に提出します。紛失すると再発行に手間がかかるため、大切に保管してください。
注意点
- 書類の不備や記載ミス:死亡届の記載内容に不備や誤りがあると、受理されないことがあります。特に死亡診断書(死体検案書)の記載は医師に正確に記入してもらう必要があります。提出前に葬儀社に内容を確認してもらうのがおすすめです。
- 葬儀社への依頼:多くの葬儀社は、死亡届の記入方法の案内や、役所への提出代行サービスを提供しています。手続きに不安がある場合は、葬儀社に相談するとスムーズに進められます。
- 死亡届提出後の手続き:死亡届が受理されると、故人の戸籍が抹消され、住民票も除票されます。これに伴い、健康保険証の返却や年金の手続きなど、様々な行政手続きが必要になります。これらについては別途確認が必要です。
死亡届と火葬許可申請は、故人の旅立ちを見送る上で最初に直面する重要な手続きです。滞りなく進められるよう、不明な点があれば自治体や専門家(葬儀社など)に相談するようにしましょう。