はじめに
エンディングノートは、自分の「死後の希望」や「大切な情報」をまとめておくためのツールですが、もう一つの重要な役割があります。それは、心の整理や大切な人への感謝の手紙としての側面です。
この記事では、「癒しとしてのエンディングノート」の書き方と、遺された人の心に届く表現、新しいメッセージの形についてご紹介します。
「過去の自分と向き合う」ノートの書き方
エンディングノートに取り組むことで、自然と人生を振り返る時間が生まれます。それはまるで、自分自身に向けた「心の棚卸し」。
書きやすい構成のヒント
- 子ども時代の思い出
- 一番うれしかったこと・悔しかったこと
- 人生で大切にしてきた価値観
- これまで出会った人への感謝
過去を「書く」ことで、自分の人生がいかに多くの人や出来事に支えられていたかに気づき、癒しを得る人も少なくありません。
遺された人が喜ぶ言葉・避けたい言葉
エンディングノートは遺族が読み返すこともあるため、「伝え方」がとても重要です。
喜ばれる言葉の例
- 「あなたと過ごした日々に感謝しています」
- 「大丈夫、あなたならきっと前を向いて生きていける」
- 「私の分まで、幸せに生きてください」
避けた方がよい表現
- 「あなたは私のことを理解してくれなかった」
- 「もっとこうしてくれればよかったのに」
- 「すべてに絶望している」
ネガティブな感情を書き残すと、遺された人の心にしこりが残る可能性も。どうしても伝えたい思いがあるなら、できるだけ穏やかな表現にしましょう。
音声や動画メッセージを残すという新しい形
紙のノートだけではなく、最近では「声」や「映像」で想いを残す人も増えています。
音声メッセージ
- 手紙では伝えきれないニュアンスを、声で届けることができる
- 聞くたびに故人を身近に感じられる
動画メッセージ
- 表情・口調・間の取り方などが感情に直接届く
- スマホやタブレットで簡単に録画・保存が可能
- 葬儀や法要の場で再生するケースも
これらは「未来の遺された人に向けた贈り物」として、従来のノート以上に心に残ることがあります。
おわりに
エンディングノートは、人生の最終章に向けた事務的な準備にとどまらず、「大切な人と心をつなぐメッセージ」にもなります。
過去の自分を見つめ直し、大切な人への想いを言葉や声で残すことで、自分の心が癒され、そして遺された人の支えにもなる。
まさに、“心の手紙”としての価値が、そこにあるのです。