はじめに
大切な人を亡くしたあと、心の中にぽっかり穴が開いたような感覚におちいることは誰にでも起こり得ます。
「時間が解決してくれる」と言われることもありますが、言葉にできない苦しみや孤独を抱え続けるのはとてもつらいことです。
そんなとき頼れるのが、「心のケアのプロ」。
ここでは、臨床心理士とグリーフケア専門家の違い、地域や民間団体でのサポート、安心して相談できる窓口を紹介します。
臨床心理士/グリーフケア専門家の違い
臨床心理士とは?
- 心理学の専門知識と技法を用いてカウンセリングを行う国家資格保持者(または公認心理師も同様)
- 病院、学校、福祉施設などに所属していることが多く、心の病気や喪失のショックにも対応
グリーフケア専門家とは?
- 死別・喪失体験の悲しみ(グリーフ)に特化して寄り添う支援者
- 資格の体系は多様で、宗教者・看護師・心理士・経験者などさまざまな背景の支援者が存在
- 特定の宗教に偏らず、中立的な立場で話を聞いてくれるところが魅力
地域で受けられる心のケア支援
自治体・医療機関の支援
- 地方自治体によっては、無料または低額でのカウンセリングを実施している場合も
- 保健所や精神保健福祉センターなどに「喪失支援」の相談窓口あり
- 緩和ケア病棟やホスピスなどでは、遺族向けのサポート会を開催する病院も
NPOや民間団体の取り組み
- 「グリーフケア・サポートプログラム」を提供している団体多数
- 例:NPO法人リヴオン、一般社団法人グリーフケア・アライアンス など
- 死別の種類(配偶者、子ども、親など)に応じた専門グループもあり
- 月に1度、語り合える場やワークショップを開催しているところも
「話すことで癒える」相談先一覧
誰かに話すことで、初めて自分の中の感情に気づくことがあります。
以下は、匿名・無料・専門性のある相談先の一例です。
相談窓口・支援団体例
- よりそいホットライン(年中無休・24時間対応):0120-279-338
死別・自殺・孤独・家族の問題など幅広く対応 - NPO法人リヴオン:グリーフをテーマにした対話イベント・遺族カフェ開催
- 日本臨床心理士会の相談リスト:地域ごとの専門カウンセラー検索可能
- 子どもグリーフサポートステーション:子どもの喪失ケアに特化
おわりに
悲しみは、誰かと比べられるものではありません。
時間をかけて、安心できる場所で、少しずつ自分の気持ちと向き合うことが大切です。
「話してもいい」「泣いてもいい」と思える場を、どうか見つけてください。
心のケアは、我慢ではなく、寄り添い合うことから始まります。